導入企業様インタビュー>>東急リゾーツ&ステイ株式会社

自然に依拠するリゾートビジネスだからこそ。tunagu cool boxとサステナビリティー経営を前に進める。

 

豊かな自然環境に囲まれたリゾート施設を多数運営する東急リゾーツ&ステイ株式会社。同社は2025年から三崎恵水産のtunagu cool box11拠点で導入し、サステナビリティ活動の視点から同プロジェクトに賛同いただいている。今回、地域創造統括部サステナビリティー推進部の相馬伸広氏と三崎恵水産代表の石橋匡光がサステナビリティ活動とtunagu cool boxについて語った。

 

聞き手:石橋匡光(株式会社三崎恵水産 代表取締役)
話し手:相馬伸広様(東急リゾーツ&ステイ株式会社 サステナビリティー推進部)

 


自然に依存する事業だからこそ、環境への責任を果たしたい

石橋:本日はお忙しい中、ありがとうございます。まず、御社のサステナビリティへの取り組みについて教えてください。

相馬様:当社は長野県茅野市の「東急リゾートタウン蓼科」をはじめ、森林や海など豊かな自然環境に囲まれたリゾート施設を運営しています。私たちの事業は、土地や資源を利用し、自然による癒しや楽しみを提供するというスタイル。つまり、豊かな自然環境があるからこそ事業が成り立っているんです。自然環境の変化は当社にとって重要な課題と認識しています。

石橋: マグロ問屋である私たち自身も、綺麗な海があるからこそ事業が成り立っているので共感します。御社では、具体的にはどのような取り組みを行っているんでしょう?

相馬様:たとえば「食の循環」にスポットを当てた取り組みがあります。レストランで使用した廃食油の再生利用として、48の施設で廃食油回収を実施し、持続可能な航空燃料(SAF)への再利用を進めていたり、廃食油から生まれたハンドソープをゴルフ場の各施設で設置を予定しております。また、「コンポスト※」という取り組みも推進しており、食品廃棄を堆肥化することでCO2削減にも取り組んでいるところです。

他にもアメニティやカトラリーの一部をバイオマス製品に変更したり、事業で使用する電力の再エネ100%化にコミットする国際イニシアチブ「RE100」に親会社である東急不動産が加盟していることもあり、それに準じて活動は多岐に渡ります。さらには、生物多様性の保護や自然環境への配慮に関する「G認証」「ABINC認証」などの認証を取得しました。

 

石橋:御社の施設で言うと、緑豊かな風景が広がる「東急リゾートタウン蓼科」は、広告でよく目にすることがあります。

相馬様:ありがとうございます。「東急リゾートタウン蓼科」は、まさに弊社の象徴的な取り組みなんです。適切な間伐を行っていることで光が地面に入るようになり、有機物が育ちやすくなりました。そうすると植物だけでなく、虫や鳥などの動植物もたくさん住むようになるんです。実は、50年近い開発を経た現在の方が、開発前よりも健康的な森になっているんです。また、生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度「自然共生サイト」に、複合リゾート施設として初めて認定を取得しました。

そのほか、間伐材を使用した商品開発や地産地消・脱プラの推進などを通じて、環境への取り組みを「見える化」し、お客様にも関心を抱いていただけたらと考えています。

石橋:「森は海の恋人」という言葉もあります。実は水産資源をもとにした事業を営む私たちも森の恩恵を受けているんですよね。森と海、フィールドは違えど取り組もうとしていることは通底しているところがあるのかも知れません。

※コンポスト:食品廃棄物などの有機物を微生物の働きで分解・発酵させて、土壌改良材や肥料にすること。

サステナビリティ活動の難しさと、解決策への期待

石橋:サステナビリティ活動を進める上での課題意識はいかがですか?

相馬様:自然の恵みを活用して運営している当社にとって、サステナビリティに配慮した経営活動は、社会の持続可能性・自社の事業成長のいずれの面からも必要不可欠です。

石橋: そんな中で、私どものtunagu cool boxに注目していただいたきっかけは?

相馬様:tunagu cool boxはリサイクルが100%可能な紙資源であるダンボールと、可燃ごみとして処分できる発泡体を組み合わせた資材だとお聞きし、御社のサステナビリティ活動に共感したんです。導入前は事業所で発生した発泡スチロールごみを産業廃棄物として処分していましたから。

現場が実感するメリットと、数値で見える成果

石橋: 実際に tunagu cool boxを導入してみていかがでしたか?

相馬様:プラスチック使用量削減、廃棄燃焼時のCO2排出量削減、資材配送時の排出量削減など、脱プラスチック・脱炭素問題に大きく貢献しています。さらには、現場でもゴミ捨て時の作業効率向上にとてもメリットがあるということも実感しました。

石橋:たしかにtunagu cool boxはコンパクトに畳むことができるので、運搬の工数が減ったり、置き場のスペースを削減したりできます。魚が発泡スチロールで運ばれると、嵩が大きいからかさばってしまうんですよね。その結果、何度もエレベーターを往復しなくてはならなかったり、倉庫に箱が山積みになってしまったり。tunagu cool boxは、そうした課題を解決できると思っています。

相馬様:可燃ごみと一緒に廃棄できるのも簡単ですし、もしかしたら産業廃棄物として処理するよりも廃棄コストが削減できる可能性もある。導入するにあたっては「作業がラクになるし、廃棄コストも下がるかもしれない」というメリットもあるから、知らず知らずのうちに現場で環境に良い活動が広がっていくんです。サスティナビリティ活動を進めるという観点では、非常に取り組みやすいアクションだと思います。

 

相馬様:それから定量的に環境負荷軽減の成果を出してくれるのも関係者への周知においては助かっているポイント。tunagu cool boxのホームページでは、化石燃料や温室効果ガスをどのくらい削減できるかを定量的に示してくれます。どのくらい環境に貢献しているのかを数字で出すことができれば、関わる人の印象も全然違いますからね。

石橋:私たちとしても、「便利だから」というシンプルな理由でもいいから、まずは使ってもらいたいと考えています。それが次第に広がっていき、最終的に外部評価を得ることができれば、「自分たちが取り組んでいるアクションって、環境に良いことだったんだ」と認識が変わるきっかけになると考えています。

相馬様:資材の領域は直接お客様の目に触れる機会が少ない部分かもしれません。しかしtunagu cool boxをはじめとした物流は、お客様へサービス・商品を届けるサプライチェーンをつくるために必要不可欠な視点。こういった根幹的な部分でのサステナビリティの推進や発信にも、力を入れていきたいですね。

石橋:環境負荷を減らし、生産性も高める。tunagu cool boxは、サステナビリティ活動を推進する事業者にとって採用しない理由がないんですよね。私たちも、賛同してくれる企業を増やしていきたいと考えています。

相馬様:tunagu cool boxも、510年経ったら発泡スチロールから全て転換しているかもしれませんよね。事業者目線として、環境負荷も、廃棄コストも、同時に下げられるのであれば、持続的な事業運営や環境課題の解決にもつながります。

石橋: 継続が何より大切ですよね。本日は貴重なお話をありがとうございました。